レストア日記

3台の仕上げ内容など~

2010年06月26日 | レストア日記


ここ最近は、3台の納車整備に結構時間がかかりました。それぞれコンディションが違いますので、重点的にした作業が異なりますが3台三様の仕事でしたので紹介したいと思います。

1)アルピーヌ A110 1600S(通称:親分さん)

入庫当初、エンジンがかからない状態でした。
初期段階として、燃料ポンプ交換、キャブレター交換がメインでしたが
ショックやブレーキ周りの交換、タイヤホイルの交換、他、色々と手直しし
普通に走るようになりました。
動画も撮影し、サーキットにも持ち込み、何度かの試運転にも車は調子良く答えてくれました。

今回、販売において、「普段使い」を前提のオーナーさんから
ヒーターの取り付け、及び、初期整備の範囲を拡大をリクエスト頂きました。

エンジンは始動問題なし、充電OK、ヒート無し、走行OK~と
大まかに車としての不具合はありませんでしたが、どの部位も今回、やっておいて良かった。
または、外し部品を見なくては判らなかった、見ておいて良かったという
所が沢山ありました。

いわゆる予備的な処置を施したのですが、大物(エンジン、MT,クラッチ)
に関しては手付かずですが、とても信頼度はUPしたと言えます。

HPにて多数画像をUPしてまいりましたが、それは作業のごく一部です。
今回は参考までに、作業内容・項目を記載します。

あまり手をかけられていない旧車は、下記のような作業が必要とも
言えます。今回はどうせやるなら、からむ作業はだいたいやっております。

もちろん一度にでは無く、その範囲を決め、徐々にも可能です。
今回は、「水、」「電気」「燃料」、と基本的なところがメインです。ヒーターに
関しては全て撤去されていた個体でしたので部品の入手、細工には
少々手間がかかりました。

いわゆる下記の作業は大きな部品代はかからないですが
(しかし交換部品点数が多いゆえ結構な金額になりますが)
何せ手間がかかる仕事です。
エンジンOHや塗装一式、などの方がもちろん楽なのです。

外見からは何も変わらないのですが、循環する流れる「目には見えない」
部分の作業により車は確実にタフになったと言えます。

下記の明細を見てもらえればいかに多岐に渡る作業を施したか
理解してもらえると思いますが、記載されない細かい作業も実際は
もっと多いです。

ALPINE A110 1600S

作業明細

1)水周り・ヒーター関係

・ラジエター製作(ワンオフ)
・ラジエター脱着交換
・ファン取り付け、ラジエターシュラウド加工
・ウォーターポンプ交換
・ウォーターホース全交換

・ヒーターホース取り付け
・ヒーターコアOH
・ヒーターユニット取り付け

・ヒーターエア抜き作成一式
・ヒーターレバー・ヒーターコック取り付け
・クーリングパイプひび割れ修理
・クーリングパイプ~洗浄、ペイント一式
・ウォーターポンプ

・クーリングホース一式(ホースバンド含む)
・クーリングファン×2
・コア中古
・ヒーターコック
・コックレバー作成
・ヒーターユニット
・ヒーターコントロールレバー
・ヒーターホース一式
・サーモSW
・ヒーター室内SW(リプロ110)

2)電気周り

・スターターモーター交換
・オルタネーター交換
・プーリー仕上げ
・123IGN・プラグコード・コイル交換
・バッテリーケーブル交換
・バッテリーターミナル交換
・リレー取り付け、配線作成

・123IGN~デスビASSY
・ウルトラプラグコード(オーダー品)
・コイル
・リレー・ヒューズ一式
・オルタネーター
・スターター

3)燃料タンク移設作業

・ガソリンタンク脱着移動
・リザーブタンク移設加工

・ガスタンク取り付けベルト作成×2
・ブレーキオイルリザーブタンク
・ブレーキリザーブタンクホース
・ガソリン配管(トランク内)作成

・ガソリンタンク洗浄
・給油口ベース分解仕上げ
・耐油ゴムで各シール製作
・吸い口(パイプ)交換
・エア抜きホース取り付け
・フロート点検

4)外装・内装・エンジンルーム・他作業~

・ドライブシャフトブーツ交換
・ドラシャフブーツ×2
・アクセルケーブルブラケット加工取り付け
・中古アクセルケーブルブラケット

・ダッシュ左右吹きだし口新設
・ダッシュ左右、吹き出し口(中古)×2
・吹きだし口裏ダクトホース
・フロントフード内エアダクト3本(中古)

・マフラー脱着
・エキゾースト、耐熱テープ
・マフラー、ステー取り付け、耐熱塗装
・エンジンルーム側、ステー取り付け
・耐熱テープ巻き作業
・エキゾーストガスケット
・点検口耐熱シート仕上げ

・シフトノブAマーク
・センタートンネル~開口部FRPカバー
・消火器取り付け
・助手席ミラー取り付け
・下回り洗浄、ホイルハウス~ペイント

・スペアタイヤ・ホイル
・スペアタイヤ固定ベルト取り付け
・ホイルナット交換
・バッテリー上ゴムマット

5)油脂類・消耗品など

・ブレーキオイル交換・エア抜き
・エンジンオイル交換(モチュール300V)
・エンジンオイルフィルター交換
・クーラント入れ替え
・ファンベルト



2)アルピーヌA110 1300VC(V70)

この車はそれほど遠くない時期にある程度の作業されながら乗っていた
コンディションと見れました。
親分さん同様、エンジン、MT、クラッチなどの大物は調子がいい状態。
足やブレーキも手はかけられていますが細部の煮詰めが必要としていました。

一番、気になったのは各ディテールでしたので今回は上記の機関的な
作業の手直しに加え、塗装の一部手直し、モール類やエンブレムの装着
内装に関してはオーナーさん希望のオリジナルシートへの交換
またそれに伴い、運転席のフロアーの修理
塗装に出した際、フロントサブフレームの加修も板金屋さんにお願いし
施しております。

親分さんが「水道ガス光熱費作業」
1300VCはまさに「劇的ビフォーアフター作業」という感じでしたね(笑)

外装ですが、入庫時、のっぺりした印象でしたがモールやエンブレムの
適正位置に取り付ける事によりかなり見栄えが良くなりました。
バンパーも初期型メッキに拘りオリジナル風情のアルピーヌになったかと思います。
内装は少し窮屈なスポーツタイプのシートはオリジナルになり乗り降りし易くなりました。
(床の作業が余計でしたが^^:)

入庫当初の試運転では「運転しにくい!」という印象
アクセルコントロールが難しく、アクセルペダルのONかOFFしか無いような
感じでした。クラッチを滑らせる原因になり兼ねません。

ここはアクセルリンケージも含め、あらゆる可動部分のたんに油切れ
がメインの原因でした。リンケージも外し注油にて完治し
また濃い目のセッティングのキャブレターの調整、ジェット類の見直し
でアイドリング、動き出し、走行中と気持ちのいい状態になりました。

足も硬く感じられました。これは好みもありますが、110は元来とても
乗り心地のいい車で、あまり締め上げるのは好ましくありません。
この作業はショックの硬さ調整タイヤの空気圧が高すぎました。

適正なショックに空気圧、そしてミシェランのXASの組み合わせは
まさに110の乗り味を提供してくれます。

またブレーキタッチも悪かったです。
ここはパットの交換、エア抜きで完治しました。

細かい手直しあれど基本的に今まで良く整備されてきた車でした。
今回の外観の手入れで乗りやすくそして速く(このVCはサイドキャブに
デビルという定番チューンに加えフライホイールが軽量化されていて
なかなかの走りでした)美しいVCになりました。

スタッフの評判がとても良かったVCでした。
「VCでいいよね」
「VCがいいじゃん」
てな具合に(笑)

アルピーヌA110 1300VC(V70)

1)塗装関係

・フロントノーズエンブレム既存穴塞ぎペイント
・リアエアースクープ既存穴塞ぎペイント
・右ドア、ドアミラー穴既存穴塞ぎペイント
・ナンバーベース~ペイント
・小傷タッチアップ
・フロントサブフレーム修理ペイント

2)外装関係

・ボディサイドモール取りつけ
・フロントノーズ「ALPINE」エンブレム取りつけ
・リアフード ルノー菱形エンブレム 「ALPINE RENAULT」取りつけ
・サイドマーカー左右交換
・リアナンバー灯、交換取り付けX2
・ヘッドライトリム中古メッキ交換
・ワイパーアームキャレロ交換(中古)
・ワイパーブレード、アズール交換(中古)
・フロントウィンカー(白)左右交換
・リアバンパーセンター交換(中古)
・リアバンパーオーバーライダー交換(メッキ中古)
・フロントオーバーライダーモール交換
・フロントナンバーベース交換(FRPリプロ)
・アクリルライトカバー、ビス穴加工
・ライトカバー、アクリルビス取り付け
・エアースクープ、メッキモール手直し
・右メッキタイプ足つきミラー取り付け
・左右ドアキー製作
・エンジンフードドアキーシリンダー加工
・ホイルナット交換
・希望Fナンバー切り文字

3)内装関係

・モモプロトティーポ32交換
・シフトブーツ作成、中古物入れ取りつけ
・シフトノブAマーク交換
・室内灯修理
・オリジナルシート左右交換(張替え済み)
・シートレールリペア
・運転席床修理
・助手席側レール部のみ加修
・右ドアキャッチ交換
・左右ドア閉まり調整
・ドア内部モール手直し

4)機関関係、その他~

・ブレーキパット前後セット
・ブレーキパット交換
・ブレーキオイル交換、4輪エア抜き

・ショック脱着、硬さ調整
・ホイルハウス洗浄・シャシーブラック

・ヒーターコア交換(OH済み)
・サーモスタット取り付け
・コア、エア抜きホース
・ヒーターホース(一部)
・ヒーターユニット清掃点検・脱着
・クーラント交換・エア抜き
・ラジエターキャップ交換
・ホーン修理、配線処理
・マフラー脱着、剥離耐熱塗装
・ラジエター脱着、取り付け位置手直し
・各、灯火類、ライトベースレストア、配線処理・クリーニング
・ウィンドウレギュレター注油
・ミッションリンケージブッシュ交換
・エアファンネル取り付け
・キャブレター、ジェット交換セッティング
・点火系、調整、エンジン調整一式
・各油脂類、消耗品交換
・スペアタイヤ・ホイル装着

・車検一式


3)フィアット128ラリー

この車はKIで過去3回販売しております(笑)
最初のオーナーさんは僅かな期間でしたので実質お二人です。
いずれのオーナーさんも、この車が嫌になって~という経緯では無く
諸事情で手放すとの事で、KIに戻してくださいました。

もともとはその昔イタリアでフルレストアをされた個体だったそうですが
KIに一番最初に入庫した時は少し錆が出始めておりました。
しかしながら綺麗で調子のいいクラッシックフィアットでした。

前オーナーに販売する前にKIで全塗装、そしてバンパー類の
リクロームを施してあります。
塗装は完璧に錆を撤去しての重塗装ではありませんので、完璧!
とは言いませんが、まずまず綺麗な状態です。

当初入庫した時からリアクォーターウィンドウがアクリルでした。
今回はイタリアで部品を探しここを交換してあります。
前後ウィンドウに比べ小さいガラスですが、ヒンジ部品が付き、イタリアから
の送料も入れますと結構な金額になりましたが、とても満足のいく
ものでした。

またこれも当初からの症状でしたが、チョーク・アクセルレバーが
パネルから引っ張るとポコンと飛び出し、押すと引っ込んでしまいます。
以前は、根元を押さえなんとか動作が出来ていましたが、今回
いよいよ駄目だね^^;という事で修理

またドアガラスが簡単に落ちてしまう症状
これも元々、ゆるい感じではありましたが、こちらもいよいよ駄目ね^^:
というレベルでしたのでこちらも左右修理しました。

いずれも根治させるべく、少々手間がかかりましたが
兼ねてから気になっていたところが直りスッキリしました。
何度かオーナーさんが変わられましたが、今回はKIに入庫来、一番
いい状態と言えるかもしれません。
前オーナーさんがヘッドライトをキャレロにしてくれてたのが嬉しかったなぁ~
歴代オーナーさんも手厚くケアし、KI病院で再治療し、嫁ぐ~
いい循環です。

6~70年代の車は直せますからね!

他作業として油脂類の交換や、ホイルタイヤの交換、フォグの交換
程度ですので記載は致しません。




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