つぶやきしぶちんでございます。

「鰻の話」

８月のある日の出来事

その日は仕事が多く普段より帰りが遅くなってしまった。
迎えに来てくれた妻もまだ買いものをしていないとの事で、何処かへ食事に行こうか？
それとも、何かを買って帰ろうか？となった。

色々と迷ったが外食はやめ、いつもの生協に行く事に決まった。
「この時間なら生寿司が値引きしてあってお得よ」と妻が言う。

寿司と言えば基本「生」であるが札幌では「生寿司」と言う。
とても不思議（笑
生寿司コーナーへ行くと、なんとスッカラカン！
残念ながらすでに売り切れとなっていた。

寿司モードだったのでガックリしたが他に何か無いか探すと「鰻」に目が行く。

国産が小振りですが１６８０円　輸入物が１０００円くらいだった。
妙にデカイ輸入物は気持ち悪いので少々高いと思ったが１６８０円の鰻を購入
１尾だけの蒲焼であります。
他にも惣菜を買ったので１尾を妻と分けるのです。

家に帰り早速、鰻をパックから取り出し事前に温めておいたオーブンに入れる
勿論、アルミホイルを敷き、置いた鰻にタレを少しかけ～

次男が丁度、帰って来た。

一瞬、鰻が足らんじゃないか！と思ったが次男は鰻が嫌いである。
しめしめ・・・

次男は鰻のパックの値札を見て「１６８０円！！！まじか！高っ！」と言う。
「店で食ったら安くても３０００円はするんだぞ」と僕が言う。
ふーん・・てな感じで妻のいる居間でテレビを見出した。

なんとも美味しそうな香りが台所に漂う。
僕はご飯を盛りタイミングを見計らっていた。

チン！

準備していたまな板の上にホイルごと鰻を載せ食べごろサイズに
サクサクと切り出す。
山椒の小袋が目に付いたので端を切り鰻に振りかける。

「やはり山椒を効かせないとねぇ～」と独り言・・・
「この山椒、少し粒が大きいな？最近そうなのかな？」・・・

よし、と鰻をご飯に載せようとしたその時です。

鰻がシュワーっと泡立っているじゃありませんか！

は？え？嘘？

山椒の小袋を目を凝らして見る。

「ピカ・・・」

老眼鏡をかけていないのではっきりとは見えない。
ただ「ピカ」という文字がなんとなく判る。
まさかまさか！の入れ歯洗浄剤をかけてしまったのであります(＠_＠;)

「えええーーーーっつ！入れ歯洗浄剤！？かけてもーたぁー！！！」

僕は大声で叫ぶ。

妻がすっ飛んで来て「あんた馬鹿じゃないの！お父さんのピカよ！」

次男がゲラゲラ笑いながら「あーーっ１６８０円がぁーーーっつ！」と叫ぶ。

「あんた洗いなさいよ、まだ間に合うわよ！」
絶望した僕に励ましの言葉！

僕は熱くなった鰻を一切れづつ洗う。

あの甘辛いタレと共にピカを洗い流す。

だんだんと鰻がダラーンとしてくる・・・

もうあの表面がパリとし中がフワっとした食感も無いだろう・・・

「駄目だぁ～」

「駄目だな・・・」

と何度か呟く。

「何、言っているの！食べるのよ！」と妻

そうだな、１６８０円だものね・・・

全て洗い流した鰻とご飯を居間に運び少し残ったタレをかけ鰻をパクリ。

うっ。。。不味い。。。

一応、飲み込みましたが味はご想像にお任せします。

一切れ食べて降参です。

妻は「何ともないじゃない」とキレながら食べている。

女性って、、、やはり強い＾＾；；

何度か目にしている洗浄剤なら間違えなかったと思うのだが
たまたま父が使い、１袋、キッチンの上に置き忘れたらしい。

ポリデントみたいな錠剤の洗浄剤は馴染みがありますが
言い訳になりますが本当に山椒の袋くらいの大きさなのですよ。

ピカが・・・

悲しい夕食になりました。

ただ次男はいつまでも笑い続け
「え？食うの？それ！」とまた笑い。

翌日、長男とMメカに話すと爆笑（笑

笑いがとれてナンボの僕はそこは良かったと（笑

教訓としてはですねぇ～

PCや本を見る時だけじゃなくて台所に立つ時も眼鏡をすべし！
と僕は全国のオジサンに伝えたい（笑

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　終わり


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